女性には理由は分からないけれど、何だか体調が優れないということがあります。
こういう症状が出ている時の多くは女性ホルモンの分泌が影響しています。
特に30代後半になると、更年期の症状が出る人もいるため、
「もしかすると更年期が関係しているのかも」と自己診断をしてしまうこともあります。
しかしこういう症状が出たからといって、更年期というわけではありません。
甲状腺とは
喉仏の下にある器官で蝶のような形をしています。
ここから分泌される甲状腺ホルモンは脳の視床下部がチェックし
甲状腺ホルモンの分泌量を調整しています。
この甲状腺に異常がある場合、脳でホルモン分泌の信号を出してもうまく調整ができず
甲状腺ホルモンの病気を発症してしまいます。
甲状腺が分泌するホルモンは代謝はもちろん、骨や筋肉、神経にも影響を与えるほど
重要なもので、ホルモン分泌の異常が起こるといろいろな体調不良を起こしてしまいます。
<20~30代女性に特に発症が多い「バセドウ病」>
バセドウ病は甲状腺ホルモンの分泌が過剰になり、代謝が異常に活発になる病気です。
男性と女性を比較すると女性は男性の4倍と多く
特に20~30代女性の発症が多いと言われています。
症状
・汗を多量にかく、のぼせが出る
・運動をした時のように動悸、脈が速くなる
・ダイエットをしていないのに痩せる
・イライラする
・指先に震えが出る
代謝が異常に活発になることで運動をしていなくても汗を多量にかいたり動悸が出たりします。
この症状が更年期の症状と似ていることから
バセドウ病とは思わず更年期と思い込んでいたという女性もいるようです。
<成人女性の20~30人に1人が素因を持つと言われる「橋本病」>
橋本病は甲状腺ホルモンの分泌が低下し、代謝や臓器の働きが弱まる病気です。
実はこの橋本病、成人女性の20~30人に1人が橋本病の素因を持つと言われています。
その中で治療が必要なのは3割程度です。
症状
・気分が塞ぎこむ(鬱のような状態)
・抜け毛が増える
・むくみが出やすくなる
・動作が遅くなり、素早く動けない
・やる気が出ない
・記憶力が低下する
塞ぎこんだり、やる気が出ないことから鬱病や更年期と勘違いする女性も多いようです。